進学塾に通っている生徒のうち、1番得をしているのはどんな生徒でしょう。
それは、「成績の厳しい生徒」です。

「えー、成績の良い人じゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに、成績の良い生徒は、塾にとっては宣伝になる実績を作ってくれる存在ですから大切にされます。
難しい問題を質問に行っても、ていねいに面倒を見てもらえます。

しかし、普通の生徒は受講しないような「難関校対策授業」などを受講させられることが多く、面倒を見てもらうぶんお金も払っているのです。
成績の良い生徒は(家庭も)勉強に対して前向きなことが多いので、オプション講座をすすめられるまま受講していたりします。

特待生で無料になっているなどでなければ、どこの塾でも1番お金を払っているのは「成績の良い生徒」なのです。
お金を払っているなら、手厚い面倒見があっても「価格相応のサービス」といえるでしょう。

「成績の厳しい生徒」の場合、授業に出ただけでは十分に内容をマスターすることができません。
授業内容のマスターには家庭での反復練習が欠かせませんが、「成績の厳しい生徒」はそもそも勉強が嫌いな場合が多いので、なかなか家で一人では勉強してくれないものです。
また、授業であまり理解ができないと「わからないから復習もできない」という状態にもなります。

ご家庭では、子どもの勉強をなんとかしてもらおうと塾に通わせていますから、成績が上がらないと塾に通わせていることに価値を見出せなくなります。
つまり、塾をやめてしまうわけです。

塾としては、生徒にやめられると商売になりませんから、やめられないように「個別にめんどう見ますから」ということになります。
しかし、多くの場合、多少の個別対応ではらちがあかないことが多いので、その生徒1人に多大なる時間を投入するはめになります。
かくして、「成績の厳しい生徒」は塾の授業料だけで授業+個別指導のサービスを手に入れてしまうのです。

そんなわけで、払ったお金に対して、1番多くサービスを受けているのは「成績の厳しい生徒」ということになるのです。(それが、本人のためになっているかどうかは別問題ですが。)


では、1番損をしているのはどんな生徒でしょう。
それは、県船橋・佐倉・薬園台といった公立上位校レベルの生徒です。

このレベルの生徒の多くは、中学校ではクラス上位の優等生です。
与えられた課題は「やって行くのが当然」だと思っています。

志望校が公立上位校なら、塾であまり難しい問題を解く必要もないので授業でわからなくなることもあまりなく、きちんと課題をこなすのでそこそこの成績も維持できます。
先生がフォローすべき点はあまりありません。

先生の言うことは聞いて当然と思っているので、オプション講座などをすすめれば受講する生徒が多く、塾にとっては収入源になる存在です。
しかし、必要以上のオプションを取らされることも多く、夏期講習などではオプション講座に振り回されて、自分自身の受験勉強が十分にできなくなることもあります。
本当は、そのあたりのバランスをアドバイスするのが塾の役割なのですが、塾も経営が厳しい時代ですからどうしても営業面を前に出さざるを得ません。

繰り返しになりますが、志望校が公立上位校なら塾であまり難しい問題を解く必要はありません。
塾で授業を受けることも大切ですが、それと同じくらい1人で問題演習をすることも大切です。
このレベルの生徒は、公立合格に必要な量の授業を受けられていれば、あとは家庭学習で十分に実力を高めていけますし、高校進学後の勉強を考えればそうなっておかなければいけないでしょう。

私の場合、長い塾講師生活で最も心苦しかったのが、このレベルの生徒に必要以上のオプションをすすめることでした。

しかし、大きな組織を守っていくためには、仕事としての割り切りも必要です。
私にはその割り切りができなくなったのです。
それは、「塾の先生も教育者だ」という認識から抜けられなかったということかもしれません。
(遠い昔の、教員としての認識から抜けられなかったということかもしれません。)

自分で勉強ができるなら(上位校に進学したいのなら、自分で勉強ができるようにならなければいけませんが)、あまり面倒を見ないかわりに余計なお金も取らない塾でよいはずです。

しかし、現在、そういう塾は見あたりません。
教育に対する保護者の要求が高くなっている現在では、「手取り足取り、きめ細かく面倒を見ますよ」という塾しか存在していないのです。
現実には集団指導で「全員に、きめ細かい面倒見」など不可能です。
結果、上に書いたように「得する生徒」と「損する生徒」ができてしまいます。

そこで私は、このレベルの生徒が必要以上の搾取をされないために「さくら進学塾」を開設しました。
目指したのは「20年前の進学塾」です。
かつての進学塾(=現在の大手塾)は必要なぶんの授業しかしませんでした。
そういう授業と家庭学習で、みな公立上位校に進学していたのです。

現在の受験生や、受験生の置かれている環境が、当時と変わっているとは思いません。
毎年、オプションなど一切取らずに、きちんと家庭学習をして合格する受験生を見てきているからです。
今の受験生でも「20年前の進学塾」で公立上位校に合格できるのです。

ただし、こうした私の思いが受験生や保護者に伝わるかどうかは別問題です。
私の空回りかもしれません。
でも、まあそれでもいいのかなとも思います。(家族はたまりませんが)
この年(46歳)になると、「世のため人のため」とか「人に感謝されたい」とか思ってしまうものです。
(私の「清正」という名前も「清く正しく」ですからね。)

そういう理由で、私は大手塾を辞め「さくら進学塾」を作ったのです。

「おまえの考えは間違っている」といったご意見のある方は、ぜひコメントをお願いいたします。
ありがたく、今後の人生の参考にさせていただきます。




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